共栄印刷株式会社

FM方式では、障害となるようなモアレの発生を避けることができます。また、5色以上の色分解版による多色印刷もでき、ハイライトからシャドーまでの全階調にわたって高解像度の印刷再現を可能にします。

FMスクリーンとは...

FM方式のメリットとしては、網点形状が従来のいわゆるAMスクリーンのように規則的に並置されていないため、障害となるようなモアレの発生を避けることができます。
□ AMスクリーンの網点 □
AM網点
□ FMスクリーンの網点 □
FM網点
このため、衣料品のように被写体の規則的な形状パターンによるモアレ、複数の網版を重ね合わせることによるモアレが原因の画質劣化を避けることができるので、5色以上の色分解版による多色印刷も可能になっています。
さらに、ハイライトからシャドーまでの全階調にわたって、網点サイズを小さくすることができることで、高解像度の印刷再現を可能にします。

FMスクリーンの特徴

1. 出力モアレが見えない
通常のAMスクリーン(以下AM)では各版にスクリーン角度を設定して出力モアレが最小になるようにしていますが、FMスクリーン(以下FM)では点が散在しているので出力モアレがありません。 この特徴から、5色以上の印刷や電気製品、家具、自動車などの絵柄でも線切れが起こりません。
2. ロゼッタパターンが発生しない
AM網点ではハイライトから中間にかけて、亀甲模様のパターンが出ますが、FMではこれがありません。この特徴からハイライトから中間の階調性が重視される陶器や化粧品の容器などに利用できます。
3. デンシティージャンプが目立たない
AMで50%付近の網点で発生するデンシティージャンプ(濃度の段付き)が、FMでは目立ちません。これはFMは中間付近における網点では隣の点との接触がランダムになるので、濃度の段付きが少なくなるからです。この特徴から、肌物の印刷物は避けなければならない色のかたまりやザラツキを減らす効果 があります。
4. 色調が鮮やかに表現される
原色に近い色、彩度の高い色がプロセス4色で再現でき、よりリアルな表現効果 を発揮できます。この特徴から、大判のポスターなど必ずしも高解像度が必要ない用途への利用も行われています。

AMスクリーンとFMスクリーンの拡大比較

□ AMスクリーン □
AMスクリーン
□ FMスクリーン □
FMスクリーン